「不法侵入すれば、どこだって撮影できる」

諸般の事情により、2014年の秋に映画監督渡辺文樹氏ご本人にお会いして、いろいろ喋っておりました。そのときのいくつかを。。

渡辺文樹
「役者は、カメラが回っているときより、普段の印象のほうが強いね。僕のようにキャスティングする側からすると、普段チャラチャラしている奴か、セリフをブツブツ言って必死で覚えようとしている奴か、(否応なく)目に入ってきてるんです」

「シャイニングは技術的に新しいことをやっていたんです。最後の迷路の場面で、カメラが水平なまま揺れずに撮っていくのは、当時は最先端だったの」

「素人の役者が、役柄に没入する瞬間ってあるわけ。照れから抜け出す瞬間。それがいいんだよね。プロの役者だと(照れが無くて)役柄だけで、なんか違うんだよね」

「フルメタル・ジャケット(キューブリック)は古かったよね。発表が1987年でしょ?そのときじゃ、ベトナムはやり尽くされていたよね。原作を読んだけど、そっちのほうが、もっと過酷な戦争の悲惨さを書いてますよ」(渡辺文樹語録2014)

「ジョニー・デップはいろんなところに出ていて偉いよね。エド・ウッドは大好きな映画だよ!妹の恋人、ギルバート・グレイプ、チャーリーとチョコレート工場もよかった。創作意欲が旺盛なのは立派だよね」

「編集は、ハサミで切って、テープで貼ってガッチャンってので未だにやっているよ。そーいう機械があるの。後戻りできないのがね」

「2001年宇宙の旅を見たとき、未来に憧れがあったけど、結局は何も変わらなかったね。乗り物も同じだしね。2014年にもなれば空を飛んでいると、子供のころ思っていたけど」

「ハンス・ジマーは、僕は好きなの。ブラック・レイン、MI2, よかったね。俺って古い人間なんだよ」

「やっぱりモリコーネはいいね。『映画音楽は職業だ。オペラをやりたい』と言ってるらしいけど未だに続いているね。オレもオペラを作りたいんだよ」

渡辺文樹
「俺は古い人間だからドラマが好きだね。ドラマが無いとね」

「溝口健二は体制側の作家ですよ」

「フランシス・レイ(映画音楽家)って、プロジェクト名らしいね。他の作曲家が持ち込んだ作品を、その名前で出していたみたいだよ」

「押井守はほぼ同期なんだよ、同じくらいの年齢だから。『赤い眼鏡』を見たとき、アニメのひとが実写やらなくていいんじゃないかなーと思ったけど」

「マトリックスは、今になって見ると、映像技術で売った映画だね。どうってことない話でしょ?ある日自分が救世主なんて、ストーリーが凡庸だもん」

「PANTAってまだやっているの?頭脳警察の」

「ジャン・レノはグラン・ブルーまでよかったけど、それ以降はハリウッドっぽくなって、チャラくなっちゃったね」

「デヴィッド・リンチ?イレイザーヘッドが好きだね。その後、エレファント・マンやデューン/砂の惑星で、なんかよくわかんなくなっちゃったけど。。。音楽のアンジェロ・バダラメンティはいい音楽作るよね」

「”G.I.ジョー”,”西部戦線異状なし”はいい映画でしたよ。本当の反戦映画。プラトーンや地獄の黙示録はねぇ。地獄の黙示録のディレクターズ・カット版を見たけど、追加された場面がつまらなかったね、描写が中途半端で。カットされて正解だったんだよ」

「エクソシストは、ひたすら長い時間、客を退屈させて、女の子が逆さの四つん這いでガタガタ出てくる場面で客をギョっとさせる演出手法だよね。そのショッキングさで、当時こそ騒がれたけど、今になるとうーんだよね」

「寅さんにしても、任侠ヤクザ映画(梅宮とか)にしても、大衆からの優越感でしょう? 『どこか別の世界』なんだよね。自分たちの生活に結びつけた価値観じゃない」

渡辺文樹氏の作品は会場でDVDやパンフが手売りされていますが、たまにネットに出ていることも???

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